ナガノパープル栽培のきっかけ

当社は平成16年長野県農業試験場品種登録の年に、45aの加温ハウスとしていち早く、短梢栽培方式で一房づつ確認できる栽培を始めまた。家業のブドウ栽培を始める前は、食品流通の会社で、マーケティング・企画・商品開発等の仕事に携わっておりました。葡萄の動向調査をおこなったところ、購入層は50代から60代の主婦が、巨峰等のぶどうを中心に、購入されている事が分りました。購買には、デラウエアー・巨峰及び食べやすい・種無しぶどう等が選ばれ・最近は種無し巨峰が多く購買されている事も判りました。20代から40代の奥様方に聞くと、「食べたことがない」・「皮を剥くのが面倒」・「皮を剥くのに手が汚れる」・「種があって食べづらい」・「子供が食べる時に服を汚す」など、マイナスイメージの多い事も解りました。店頭で聞くと「皮を剥くときにマニキュアが剥がれて面倒」とも・・・。ぶどうの購買における印象は、余り良いものではありませんでした。そこで、美味しいぶどうで、「パクッ・パクッと食べられるもの」と話になりました。ナガノパープルは皮の部分が薄くみの部分と剥がれずらい特徴を持った葡萄です。昨今「ナガノパープル」「シャインマスカット」は水洗いし、「皮ごとかつ丸ごと食べられる・種なし」のぶどうが好評を博しております。

巨峰など従来のぶどうは、皮を剥くか、食したときに皮・種をだす習慣がありました。
ナガノパープルは、皮が薄く皮と実の部分が一体になっている。
今までの果物「ぶどうの概念」から逸脱したものになっているのです。
ナガノパープルは、皮と実が一体化している為、さくらんぼやプルーンと同じように皮ごと食べられるのです。
種が無く、そのまま丸ごと食べれるので、店頭で試食していただいた際に「これはぶどうですか?」と言われる事もあります。
「ナガノパープル」は従来のぶどうとは違う「新品種の果物」なのです。

オンリーワンへの挑戦

「パープル」は一般的に「紫」やそれに青みがかかった色を想像されますが、創めに長野県のオリジナルぶどうを開発しようと言う話になったとき、関係者はどうしても「黒」の果実にこだわりました。
長野県のぶどうとして定着しているのは巨峰。巨峰は「黒」だからです。
その為長野県特産の巨峰をベースにして、皮ごと食べれる欧州種のリザマート及びロザリオビアンコを選びそれぞれを交配し、優良種を選定してはと考えられたのです。
由って、巨峰のように黒くて大粒、欧州種の様に皮が薄く、皮ごと食べられる物を試行の上、植生苗として作り上げる事がきました。
併せて消費者の要請をとり入れ、種なしのぶどうを作り出しました。
県試験場で10年余りの試行研究により、種登録がされました。
巨峰をベースに、リザマートを交配し旧来のぶどうとは異なる。 巨峰のように黒くて大粒、皮が薄く、身が皮と分かれずらい、かつ種の無い物ができたのです。
長野県果樹試験場で10年掛かりで研究され、平成16年6月に品種登録されました。
ナガノパープルは長野県の葡萄生産者のみが生産・販売できるオンリーワン商品です。
酒井農園では、登録と同時にハウス新園地に植付け3年を架け、平成20年初夏より千曲川沿いの肥沃の土地・清純な環境で育った 長野県育種品種、「ナガノパープル」を皆様にお渡しできる体制が整いました。

ハウスで栽培することの意味

ナガノパープルは特性から、さくらんぼと同じように、雨避け等の施設が必要とされています。
良質なナガノパープルを栽培するには、高度のメンテナンス管理が必要ともされます。
ナガノパープルの栽培は、露地とハウスの両方で栽培でき、生産者も増加傾向にあります。
栽培は露地が主流になっており、加温施設栽培はまだ少ないのです。
施設栽培は設備投資も必要ですし、施設・栽培ぶどう樹の環境管理がとても大変です。
加温施設を導入して栽培・出荷時期を前進させる。
通常9月出荷を7月出荷に移動する為には、ハウス内の栽培環境を2ヶ月前倒して、栽培をする事が必要となります。
経費面の燃料コスト、施設の日常管理である温度・湿度等の管理対応も大変です。
一般的に手作業で管理を行いますが、管理を生育状況に合せるには、小まめなメンテナンス操作が必要となり、適切な生育ステージに遇わせる作業は非常に大変な工程となります。。
このためハウス栽培は管理作業に難しい面があります。
温度調節にしても、ハウス施設の小まめな開閉管理を行わなければなりません。。
当園地では、管理の省力化・省エネ対策・CO2の排出量を抑えるなど考慮して、自動制御盤管理システムにより、ハウス施設内の「温度・湿度の調節」を自動化しています。
酒井農園では、自然環境を考慮し、ハウス内外の環境を整え、ハウス内の空気をファンで循環させ、温度・湿度をきめ細かくコントロール、自然の気象・採光・風等を最大限に活かし、環境にやさしい在り方を目指しています。
近々、事務所のパソコンで遠隔制御が出来るシステムを構築したいと計画しています。

「濃い光沢のある黒」の難しさ

ぶどう等の果樹の適地と稲作の適地、野菜の適地は違います。
ぶどうは肥沃の地では色着きが難しく、栽培がしづらいと云われてきました。
酒井農園がある千曲市屋代地域の土地は、長野県の中でも二毛作地帯で肥沃な地として知られております。
平坦地でありながら、昼と夜の温度差が大きい。
トルコキキョウ・菊・カーネーションなどの昼夜の寒暖差の必要な花類の栽培が盛んです。
ぶどうは肥沃の土地では、樹の方に特に養分を取られ、良質の果実になりづらい。
根が張りすぎる場所だと、木の方にだけ栄養分が行ってしまい、実の方に栄養がいきづらい。
濃い光沢ある黒色に気をつけなければならない、巨峰など「黒」の色にこだわる栽培が難しいのです。
酒井農園は、樹と実の調和を考慮し、樹の枝葉と果実の生育バランスを調整、光沢ある黒色にこだわりました。
毎年同じ品質ものが作れるよう栽培方法を模索。
高品質・濃い光沢のある黒のぶどう「ナガノパープル」を作っています。

最高級をめざす

加温施設栽培をする以上は、管理技術を屈しし最高級品をと考えています。
ぶどうの1粒の大きさは、標準の巨峰・ナガノパープルで10gから15gくらいです。
サカイ農園で作るナガノパープルは平均で1粒15gから25g程度です。
巨峰の倍近く大きいのです。
糖度も標準平均は19度ですが、当園地では20度から22度を目指しております。
5つくらい食べると、「高品位精度な糖度・食味に優れ・種も無いので食べやすい」満足感があると、言う声もいただいております。
ぶどうに含まれているポリフェノールが巨峰の4倍。
女性にもお勧めできます。
高品位追求の栽培方法をシステム化、安定した生産量を確保、安定供給出来るよう取組んでおります。
信州の最高級品「ナガノパープル」を多くの人に知っていただきたい。
酒井農園の「特秀ナガノパープル」一粒15g〜25g、糖度19〜22度の真っ黒の
特秀「ナガノパープル」は、皆さんに喜んでいただける信州の最高品位ぶどうです。